恋の授業。



こんな状態のワタシを残して何処かに行ってしまった綾子が、手に凍ったスポーツドリンクを持って戻ってきた。



「ほらっ、とりあえずこれで冷やしな
?っうぅっ…」



売店で買ってきたらしいそれは、キンキンなうえに、綾子のハンカチが巻いてある。



「あー、ありがと。ってエェエ?!」



綾子が今にも泣き出しそうな顔を必死に堪えている。



「ナニ?!なになに?なによ?」



ワタシまで泣けてきちゃうじゃん!
せっかく冷やせるのに。



黙ったまま、来た電車に乗って…

駅に着く頃にはいつもの2人に戻っていた。



綾子も意外と不器用なのかもしれない、と思いつつも、やっぱり嬉しかった。



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