恋の授業。
ぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜
12月は夕方になるともうかなりの寒さで、撮影の為に立ってるだけで震えそうになる。
「はーいじゃー今度は〜ゆっくり後ろに歩いてみて」
カメラマンさんの指示で、イルミネーション並木の下をゆっくりと後ろ向きに歩き始める。
危ないな…こわいよ。
転んだりしないように、ゆっくり下がっていると、過ぎて行く視界の中に一瞬…
………っ!
あっ!と思った時には、心臓が飛び出してしまいそうなほどドクンと跳ね上がった。
今の……っ!
慌てて2度見をした先には…
スーツを着て、キリッとした顔つきのホクロメガネが足早に通り過ぎようとしていた。
あ、あ、…!
後ろに歩くワタシとは向かい合っているのに、腕時計を見ながら歩くホクロメガネは全く気付いてくれない…
突然のことに、足が止まる。
どんなに声を出そうとしても、なんて言っていいのかわからなかった…。
ホクロメガネがワタシを通り過ぎて行くのを、ただ見ることしかでかなかった……。