恋の授業。




俯くワタシの隣で、必死に声を殺して肩を揺らしている。



うぅぅ…笑われてるし…

はぁーあ〜。

こんなはずじゃなかったのに…
こんなはずじゃなくて

ホクロメガネになら、ちゃんと言えるはずなのに…



「丁寧な言葉なんて使って、どうしたんですか?」



「ぇえ?」



「大人になったんですか?それとも、僕が先生だと知って敬ってくれてるんですか?」



はぁあ???!
なにそれっ!



クスクス笑いながらワタシをからかうホクロメガネは、前と何にも変わらない!



「違いますぅー!なにそれ!だいたいさぁ!先生だろうと何だろうと、ワタシのこと子供扱いするのやめてくれないっ?もう19歳の女性だからね?高校卒業してるからねっ?」



はぁっ、スッキリしたっ!
……って…言い過ぎたかな…?



チラッとホクロメガネを見てみると、優しい目をして微笑んでいる。



そうそう、この顔。
落ち着く。



釣られて軽く笑うワタシは、やっといつもの自分に戻れたような気がする。

そして、ホクロメガネの魂胆が全部わかった。



ッハハ!さすがホクロメガネ〜。
でもこれで、ちゃんと言えそうかも…!



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