恋の授業。




体中の血がぜーんぶ顔に集まってるように熱くて、心臓は倍に膨れ上がったかと思うくらいバクバク鳴っている。



恥ずかしいっ…恥ずかしすぎる!

もうやだ…っ!



噛み締めた下唇の痛みなんて感じないほどのパニックに陥ったワタシは、手の甲でひたすら頬を冷やす。



「まぁ………自覚がないなら、それで結構です。」



……え………



……え?……ま、待って…



待ってやだ。



やだ………



確かにわからないって言ったし直ぐに認めなかったけど…そんな簡単に…
もういいなんて…言わないでよ…



顔に集まっていた血が
一気に引いて行く…



同時に鼻の奥がツンと痛くなった。
これは、前触れだ…。



ちゃんと、ちゃんと自分と向き合って…



『もういい』
そう言われて、ハッキリとわかった。



ワタシは…



ホクロメガネが大好きだ。



< 307 / 324 >

この作品をシェア

pagetop