恋の授業。


ワタシの話で興奮している二人には、誤解がないようにしなくちゃと思うと、言葉選びにも慎重に、ゆっくりと、ポツラポツラと話をする。



「綾子は知らないと思うけど…
昨日の夜マリからメールで、森川君にワタシのアドレス教えたから、そのうちメールがくるかもって言われて…」



「早速突っ込みどころ。マリそれ無しだろ?(笑)」



綾子が、勝手にアドレスを教えたマリに突っ込んでいる。
その突っ込みは勿論なんだけど、マリには本気で怒る気になれない。
マリのキャラがそうさせる。



「それで、森川君からメール来て、」



「おーっ!やったな森川!」



「ちょっとマリ声デカいってー!」



森川君も同じ教室でお弁当を食べていることに、ヒヤヒヤして仕方がない…



「それでー、そのメールにはアドレスを勝手に聞いてごめんって…」



「よしっ。」



そう頷く綾子に、理解が出来ないワタシは顔を傾ける。



「だって!そこで勝手に聞いたこと謝らなかったら人としてどーよ?」



……確かに。
ワタシも、そこを気にしない人とは関わりたくないかも。



自然と頷いたワタシに合わせてマリもうなずくけど、勝手に教えたマリが納得するな!とまたもや綾子に突っ込まれている。


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