恋の授業。


車で通った道をゆっくりと歩く。
ついこの前話すようになった人と、こうして歩いていることが不思議だ。


数歩前を歩いていたホクロメガネが、道端の自動販売機で足を止めると、迷うことなく2本買っている。



「どうぞ?」



差し出されたのは、ホットココアだった。



「あ、ありがとうございます。」



まだホットあったんだ…
っていうか、ココアは好きだけど、大好きだけど…もしワタシが嫌いだったらどうするんだか。



「女心はお手の物?」



なんとなく腹が立ち、嫌味を言ってやる。



「そうですね、でも…」



………?



「小さい子限定ですかね。」



しばらく間を置くから何かと思えば、
ワタシのことを小さい子だと言っている!



んんんーーーーー!!



やられたと思いながら、睨むようにホクロメガネを見てみれば、またあの優しい目で笑っていた。

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