恋の授業。




「いたっ………!」



痛みというより驚きに対して出た言葉だったけど、その力は慌てて緩められた。



「わっ!わわわっ!ゴメンっ!!」



パッチリ二重の大きな目を、更に大きくして焦っている人。




「……あっ…」




目の前にいるのは、今一番会いたくない人。




「森川君…」




違う……
会いたかった人?




「おはよう、くーちゃん」





…ちょっと違う
会うのがこわかった人、だ。



「…………」



何か言わなくちゃと思うのに、言葉が全く見つからない…




う、うわぁ……




穏やかだった森川君の顔が、パッと笑顔に変わる。


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