恋の授業。
【本文】
メールありがとう。
俺くーちゃんが大好きだよ。
「……は、え?」
好きって…
「どういう…?」
大好きって…
「どういう?」
体中の毛穴から汗が吹き出ているような感覚に加えて、顔面がみるみる熱くなっていく。
う、うわぁー。
うっわぁー。
息はいつからか荒く口呼吸になっているし、心臓はさっきからトランポリンのようだ。
ドキドキが、終わらない…
でも、これって……
普通は好きと言われれば告白だと思うけど、こんなにサラッと普通のことのような雰囲気で、しかも森川君の犬みたいな印象が、まるで飼い主を慕っているような意味にもとれてしまえるような気がしなくもない、ような…
待ってこれ…
朝の7時半だから、
ホームで森川君に会う前…?だ。
「っ………!」
もしかして……ワタシ…!
今朝の森川君とのやり取りに、若干辻褄の合わない感はあった。
その理由が今、1つずつ繋がっていく…
森川君の言葉…
困った顔、
悲しそうな笑顔、
……後から行くからと、ワタシを先に行かせた理由。
ワタシが見てきた森川君が
走馬灯のように蘇る。
知り合って間もないはずなのに、思い出される森川君の顔はワタシの頭の中をいっぱいにした。