恋の授業。
 

ベッドの上に座り込んでからどのくらい経ったのか。


さっきまでオレンジだった窓は、濃いブルーに変わっている。



多分…、森川君は本当に、好きだと言ってくれたんだ…



森川君が思わせぶりな態度を取るような人には見えないし、からかって遊んでるとも思えない。



…ということはやっぱり……
今朝の噛み合わなかったのって…

森川君はワタシがメールを見たと思ってたから、告白に対して『困らせてごめん』って言ったんだ……
ワタシは、ワタシは…『そんなつもりじゃなかったのに勘違いさせてごめんね』って言った…。


えっと…
その後……



あの時、笑顔が曇った森川君の顔が浮かんでくる。



……きっと、ワタシは、森川君がしてくれた告白を断ったんだ…。

し、しかも、勘違い野郎!ぐらいな感じで…



気付かないうちに森川君に告白されて、気付かないうちに酷い断り方をしていたという事実に、気持ちがまだ付いて行けてないのがわかる。



そう言えば最後に『これからもよろしく』って言ってた。
『くーちゃん』って呼んでくれてた…。

ワタシ、森川君が笑ったからってなんで…
なんで何も気付かないの?




自分の不甲斐なさに。
森川君への申し訳なさに。

何年かぶりに1人で泣いた。


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