恋の授業。
放心状態のままもう1つのメールを思い出して開封してみると、差出人はマリだった。
うっ………
マリと森川君は同じ中学校だし、ワタシのアドレスを教えたのもマリだからなんとなく嫌な予感がしてしまう。
しかも、受信日時はついさっきだ。
恐る恐る本文を見てみると、こちらも一瞬で読み終わってしまうほど短くて、拍子抜けしてしまった。
マリらしくない…けど…。
いつものメールみたいに、ワチャワチャしていない。
マリ、エスパー……
たった一文のメールには
【森川のことふった自覚ある人ー?】
と、若干軽さは残しつつも真面目な雰囲気で書いてある。
森川君と何か話したんだ。
でも、ワタシが自覚無しにふったなんてよくわかったよね…
「さすがは恋愛のプロ」
わざと言葉に出して笑ってみたけれど、その痛い表情は鏡を見なくてもわかってしまう。
無神経な言葉で断ったことになってて
それでも森川君はきっと納得してくれてて…
気付いたときには終わっていたことを今更どうしようもないって…
無自覚って言っても、もう後の祭りなんだ。
そう思いながら再びベッドに横たわった。