心の交差点
「ひ・き・こ・も・り」
女は、さも特ダネを見つけたかのように、
少し自慢気に、言葉を区切りながら言った。

その瞬間、黙って聞いていた、パシリに使われてそうな、痩せた女の体が大きくビクッと動いた。

「どうしたの、アオヤマさん」
髪染め女にすり寄ろうとしているのがミエミエの厚化粧女が、痩せた女の一瞬の動きを見逃さず尋ねた。
心配しているふりをして、興味津々なのが明らかだった。

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