心の交差点
「いつもありがとうございます」
シンジは気づかなかったが、店員のジュンコは、毎月来て鰻重定食を頼むくたびれた中年男を覚えいた。
決まった席に座って、決まったものを食べる、必ず新聞を読みながら、あれじゃ鰻でなくてもいいじゃないと思ったのがきっかけだった。
ジュンコの夫は単身赴任中で、月に一度帰ってくるが、ジュンコには関心を示さない。
ジュンコも自分の生活のリズムが出来上がってしまっているので、気にもしない。
そんなところも似ていた。
「鰻重定食がひとつですね」
その瞬間、何かに弾かれたように、中年男が踵を返した。
シンジは気づかなかったが、店員のジュンコは、毎月来て鰻重定食を頼むくたびれた中年男を覚えいた。
決まった席に座って、決まったものを食べる、必ず新聞を読みながら、あれじゃ鰻でなくてもいいじゃないと思ったのがきっかけだった。
ジュンコの夫は単身赴任中で、月に一度帰ってくるが、ジュンコには関心を示さない。
ジュンコも自分の生活のリズムが出来上がってしまっているので、気にもしない。
そんなところも似ていた。
「鰻重定食がひとつですね」
その瞬間、何かに弾かれたように、中年男が踵を返した。