桜咲く頃また君に会えたなら
・明里・
明里は夢を見ていた
とてもとても懐かしい風景だった
お父さんとお母さんお兄ちゃんと一緒にいた
みんな私が赤ちゃんの時になくなったから写真でしか見たことがないけれど…
みんな楽しそうに笑っていた
夢から覚めると見覚えのないところにいた
そこは薄暗く周りがあまりみえなかった
なにやらふわふわしていたのでベッドにいることがわかった
さっきまで桜ちゃんのお部屋にいたのにここはどこ?
足音が聞こえたかと思うと急に電気がついた
「目覚めたようだね…気分はどうだい?」
目の前には知らない男がいた
「あなたは誰ですか」
男は悲しそうな瞳で明里を見ていた
「自分でかけた封印が溶けていないんだねティーナ」
「封印ってなんのことですか?それに私はティーナじゃないです」
男は少し笑みを浮かべた
「…封印をとくのは次回の楽しみにしておくよ…君のお名前を教えてくれるかな」
「沙矢川明里です」
「私のことはサリトと呼んでくれ」