秘密
「か、ずま………無事、か?」
「俺は、無事だ。
何でお前、俺を庇ったんだよ!」
「罪、滅ぼし………かな。
良かっ、た………か、ずま、が、無事、で、良かった」
そう言って、棗は目を閉じた。
棗の横腹からは、ドクドクと血が大量に流れている。
「棗!棗!死ぬなよ!?
おい!起きろよ……!!」
「起き、てる…よ
ただ、すっげぇ、ねむ、い」
「寝るなよ!
絶対寝んな!!」
「ハハッ………
それ、む、りかも、しれねぇ。
かず、ま……かず、は、から……
___________________________」
そう言って、棗は目を静かに閉じた。
その表情に、復讐という言葉は似合わない程に、綺麗な表情をして、永遠の眠りについた。
「棗ぇーーーー!!!!!!」
服を真っ赤に染めながら、少年は泣き叫んだ。