秘密




「か、ずま………無事、か?」


「俺は、無事だ。
何でお前、俺を庇ったんだよ!」


「罪、滅ぼし………かな。
良かっ、た………か、ずま、が、無事、で、良かった」




そう言って、棗は目を閉じた。
棗の横腹からは、ドクドクと血が大量に流れている。




「棗!棗!死ぬなよ!?
おい!起きろよ……!!」


「起き、てる…よ
ただ、すっげぇ、ねむ、い」


「寝るなよ!
絶対寝んな!!」


「ハハッ………
それ、む、りかも、しれねぇ。

かず、ま……かず、は、から……


___________________________」




そう言って、棗は目を静かに閉じた。
その表情に、復讐という言葉は似合わない程に、綺麗な表情をして、永遠の眠りについた。




「棗ぇーーーー!!!!!!」





服を真っ赤に染めながら、少年は泣き叫んだ。
















< 102 / 113 >

この作品をシェア

pagetop