秘密
*エピローグ*
ポンッポンッポンッポンッ………
木魚の音が会場に響き、お坊さんの念仏を唱える声が、私の耳の奥を木霊する。
泣く人も大勢いるが、渋い顔する人の方が多い。現実味が無いのか、ぼーっとしている人もいる。
「あっあぁ`ーー!!!
棗ぇ!!龍ちゃん!!!!!」
彼処で泣いているのは、
黒澤真夜(クロサワマヨ)
黒澤龍斗(クロサワリュウト)の妻。
そしつ、黒澤棗の母親。
今日は、
黒澤組三代目組長 黒澤 龍斗と、
黒澤組四代目次期組長 黒澤 棗の葬式。
「な、つめ、様………
申し訳ございません。
本当に、本当に、
申し訳ございませんでした」
私は、棗様の自宅の使用人。
白部 菜花。
私が、組長暗殺を棗様に頼んだ、本当の犯人。
直接殺して無いにが、間接的に殺したのは私。元はと言えば、私は復讐をする為にこの家に来た。
だから、棗様が死んだのは私の所為。