秘密
あの事件から、一ヶ月。
俺は学校にも行かず、家にずっといた。
ご飯も喉を通らず、寝ると棗が殺される夢をみる。
体力は落ちて、体重も減った。
そんなある日、俺の家に、白部という女が来た。
白部は、棗の家の使用人だったらしく、棗からの最後の仕事をしに来たそうだ。
「一磨さん。
棗様からの最後の仕事は、貴方の事です。私は、棗様に貴方の事をみてろ、と言われました」
「で?
何だよ。それ、いつの仕事だよ」
「貴方が、棗様の自宅に滞在なされた時です」
「それ、無期限な訳?」
「棗様からの、御命令ですから」
そういって、中に入って来た。
そして第一声が、「きたなっ」だった。
「空気が淀んでます。
換気しますね」
これが最初に会ったとき。