秘密
午後7時到着




「着きました」


「分かった、7時半までここに待機だ。
イイな?勝手な行動は慎めよ、棗」


「努力する」




努力?そんな物微塵もしねぇよ。
はなっからする気ねぇし。


俺の返答を、鼻で笑った父。
本当に意地が悪い。

俺も人の事言えねぇけど……



其の後、車の中は7時半までずっと、静寂が続いて居た。

俺はスマホの電話帳から、一磨を消した。写真も全て。




無表情で涙を流しながら、消した。連絡先も、アドレスも、全部。




それを父は、静かに見ていた。



なにも言わず、静かに……
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