秘密
7時30分。



「来た」



車の中の静寂を破ったのは、俺だった。
鹿原組の本家から、組長の鹿原瀧(カハラタキ)が出て来たのだ。


俺は携帯を1度見ると、ポケットの中に入れた。



「親父」

「あぁ、行くぞ」

「了解だ」



そして、俺達は鹿原の所に向かった。
鹿原は、暫く歩き、近くの繁華街に出た。そして、狭く暗い道に入って行った。路地裏だ。




「追うぞ!棗、気配を消せ」

「あぁ」



俺等は鹿原のあとを追い、路地裏に入った。



「棗、殺れ」

「うわ、マジかよ。息子にさせることか?オエェ、親じゃねぇよ此奴」



そう言いながら、タッタッと走って鹿原の真後ろを取り、銃を取り出して、鹿原の頭に当てた。




「ごーくあーくひどーの
か〜はらくみちょー!

御命、頂戴しに参りましたぁ!」

「貴様…何処の奴だ」

「誰だ、じゃ無いんだね。
これから死ぬ運命の人に、名前を教えても意味が無い。そういうことでーす。
でも…強いて言うなら、"Gold Angel"」

「…………"金の天使"だと!?
何故お前がここに居る!?」





「だからさ、何回も言わせないでくれるかな?



俺はお前を、………"殺り"に来たんだよ」




俺は静かに、綺麗な笑みを浮かべながら、その言葉を放った。

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