秘密
「親父ー!!
終わったー!!」
「あぁ。
お前等片付けは頼むぞ」
数人の組員に鹿原を頼み、俺と親父はその場に立っていた。何をするでも無く、静かに。
「棗。お前、今日俺を殺すのだろう?
誰から唆されたかは知らねぇが、やめておけ、お前はまだ俺には勝てない」
「それって、殺す時の記憶が無いから?
それとも、自分の親だから殺せない、ということ?」
「両方だ」
「殺す時の記憶か。
そういやぁ、言ってなかったな。
俺は人格が二つあるそうだよ」
「二重人格………だと!?」
そう、精神科医に相談したところ、どうやら俺は二重人格だそうだ。
もう一つの俺の名前は、"棗"。
元の俺の名前は、"一葉"。
「俺は"棗"を真似た"一葉"」