満たされる夜
そんなに強い口調で言ったつもりはなかったのに、遠藤は口をポカンと開けていた。
別れ話をされたとき、私は怒らなかったんだっけ。
こんな男を好きになった自分に呆れてたんだ。
「言われなくてももうおしまい。奥さんも子どもも、何かあったらあんたの責任!ちゃんとしなさいよ」
私は荷物をまとめて、お財布から五千円札を取り出すとテーブルに置いた。
これが手切れ金なら、安いものだ。
「それから伊丹課長は本当はモテるから」
「は?モテるって何だよ?おい、めぐ!」
その声に応えず、振り向くこともなく、居酒屋の個室を出た。
私は彼のどこが好きだったんだっけ。
愛されることのない男に抱かれ続けていたなんて、私は本当にバカだ。
別れ話をされたとき、私は怒らなかったんだっけ。
こんな男を好きになった自分に呆れてたんだ。
「言われなくてももうおしまい。奥さんも子どもも、何かあったらあんたの責任!ちゃんとしなさいよ」
私は荷物をまとめて、お財布から五千円札を取り出すとテーブルに置いた。
これが手切れ金なら、安いものだ。
「それから伊丹課長は本当はモテるから」
「は?モテるって何だよ?おい、めぐ!」
その声に応えず、振り向くこともなく、居酒屋の個室を出た。
私は彼のどこが好きだったんだっけ。
愛されることのない男に抱かれ続けていたなんて、私は本当にバカだ。