一夏の花
prologue


 目の前が一瞬真っ暗になって、眩暈がした。
 フラッと倒れそうになったのを誰かに見られないようにぐっとこらえる。騒がれたくないし。

 どうせ寝不足からくる貧血かなんかだろう。


次に何かがせり上がってくるような感覚を覚える。気分が悪い。
なにも考えずに、私は女子トイレに向かって駆け出す。

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