一夏の花



 動悸が一気に激しくなる。自分は相手の顔を知っていて、相手は自分の顔だけでなく名前までも知っている。



「なんで、私のことを知っているんですか」


 彼は声をあげて笑った。心底おかしそうに笑った。
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