彼の音色に恋をして
私は陽子先輩の教室に入った



なかに入ると、陽子先輩が一人だけいた



「遅かったね?沙耶さん」



そう言って優しく微笑む陽子先輩



「もう、止めてください」



そう言うと、陽子先輩の顔から笑みが消えた



「じゃあ、吹奏楽部辞めてくださる?沙耶さん」


!!!!!



「つうか、辞めろよ。邪魔なんだよ」



ードンッ



陽子先輩が私を突き飛ばす



私の体は、呆気なく倒れた



「いきなり入ってきてレギュラーになって、敦に気に入られて」



そう言って私をゲシゲシ蹴る



私の頬に一筋の涙が流れた



「何泣いてんのぉ?気持ち悪いからやめてくださらない?泣いてる暇あるんだったら、とっとと辞め…」



「辞めんのはお前だ。田辺陽子」



急に声がして振り返ると、いたのは…



…敦先輩?
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