ギャップ彼女 1
とにかく何か言わなきゃ。視線を悠斗に戻し笑顔を必死に作った。
『ち、ちがうよ~!何言ってんの~ゆうと。』
あ…やば…
ブンブンと手を振ってしまい、置いてあったジュースの入っているコップに当たり、こぼしてしまったんだ。
やってしまった…
『ごめん』
急いで布巾でテーブルを拭き、室内にあるキッチンで布巾を洗おうと蛇口を捻った。
『冷たっ!』
しかしあろうことか、水が蛇口の下にあったお皿に跳ね、思いっきり水を被ってしまったのだ(勢いよく捻ってしまったらしい)
最悪だ
今日は本当についていない
「大丈夫?」
『…うん』
すぐに、私の所に来て、ポケットからハンカチを出し差し出してくれた翔。
「リン、これ使いなね」
……大人だ。
私でもハンカチ持ち歩くの忘れる事のが多いのに。
翔は、紳士だね。
『翔、ありがとう。ちょっと着替えてくるね』
「いってらっしゃい」
優しい表情の翔に少しほっとした。