ギャップ彼女 1
何て答えていいか分からなかった。



朱里が、小さい時から奏の事を好きなのは分かっていた




中学に入って背も伸びた奏



優しいし、一緒にいて楽しいし、サッカーしている姿もかっこよくって、私は好きになってしまっていた。





『…奏の事……好きだよ。』



私は、自分の気持ちを正直に話した。隠していたってしょうがない。



親友だからこそ、話すべきだと思ったんだ。



恋敵になっちゃうけど、奏が朱里を選んだとしても、結ばれたなら応援したいと思っていた




「そうなんだ…」




朱里がこの時、ぎゅっと下唇を噛んで憎悪に満ちた顔をしていることに、私は気づくはずもなかった。
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