ギャップ彼女 1
「おい」
誰かを呼んでる?
「お前」
また別の声がする。
ってかうるさい。人の睡眠を邪魔しないで欲しい。
私じゃないよね?友達なんていないし…。
それよりも眠いんだけど。
「そこの女!!」
……え…女って…あたし…?
怒りと苛立ちを含んだ声に恐怖を感じ、目が覚めた。はい、覚めましたとも。
恐る恐る目を開けると…
誰…この人?
知らないんだけど。
なぜか私の目の前に、ヤンキー座りをする目つきの悪い金髪くんがいるんだ。
不機嫌な様子で、私を睨んでいるように見えるのは気のせいだろうか?
顔が整っているが、なんだか怖そうだ。
そして金髪くんの後ろには、赤髪くんと黒髪くんがいる。この2人もまたイケメンで…
でも私には、こんなイケメンの知り合いはいないし。
本当、この人達は誰なんだろうか?
そんな事をぼんやりと考えていると、赤髪くんが口を開いた。
「いや~女の子が、まさかこんなところで大の字で寝てるなんて…ねぇ…。」
赤髪くんが、クックッと喉を鳴らして笑っている。
『……。』
……え?
あ!?
私は、自分がありえない態勢で寝ている事を思い出した。