ギャップ彼女 1
「…うまい」
『本当!?良かった~』
悠斗の言葉にホッとし、私も食べ始めた。するとリクが「お兄ちゃん、あのね…」と口を開いた。悠斗は「ん?」とリクを見た。
「お姉ちゃんの作るご飯、どれも超美味しいんだよ」
「そうか。他のも食べてみたいな…」
ニコニコと得意げに話すリクに、悠斗は優しい眼差しを向け言った。
「じゃぁ、また食べにくればいいじゃん!」
「あぁ。ありがとうな」
リクの言葉で、嬉しそうに微笑む悠斗の姿に、胸がキュンとした。すると、
「お兄ちゃんは、彼氏なの?」
と、いきなりリクがこんな事を言い出したので、思わず私は吹き出した。
悠斗も変なところに入ったのか、ゴホゴホと咽ている。
リクったら、そんなわけないのに。
こんなイケメンが私なんか相手にするわけないじゃん
「いや、まだだ」
落ち着いた悠斗がさらりと言うが、その言葉の意味が理解できなかった。
『そうそう。リク~こんなイケメン君が、私なんかを相手するわけないじゃん!』
「それも、そうだね」
私がそう言えば、ニコリと笑ったリク。
う…
お姉ちゃんは悲しいよ。
せめて、そんな事ないよ~とかフォローは欲しかったな。