ギャップ彼女 1
ドアを開けた瞬間視界に入ったのは、壁にもたれかかって眠るリンの姿で。
昼休みにこうして会えるのは久しぶりなので、嬉しさで頬が緩んだ。
リンの横には、お弁当箱が置かれている。
もう食べ終わったのか?
早いな…
それにしても、俺が近づいても全く気づかないリン。どうやらすでに、かなり爆睡している様子。
……そんなに眠かったのか?
俺はリンのすぐ隣に座り、パンを食べ始めた。
リンの近くにいるだけで心が安らぐ。
それは、あの頃と全く変わらない気持ちで…
少しでも一緒にいたいって思うんだ。
『……リンちゃん』
あの頃と同じ呼び方で小さく呼べば、リンが小さく笑った気がした。
リンは、やっぱり俺と約束したあの女の子だったんだ。