ギャップ彼女 1
『リン』



リンは、あいかわらずうなされている。
辛そうなので、何度も起こそうとするが、一向に目を覚まさないリン



なぜだ?



「…やめて」


眠りながら涙を流すリン。俺は、その涙を指でそっと拭った。


『リン、大丈夫だ――…』


頭を撫でながら言うものの、相変わらずうなされている




「……やだ」

「やめて…」

『リン』

「や…めて…」



リンの目からは大粒の涙が、ボロボロとこぼれていて…




『リン大丈夫だ』




俺の声は震えていた。




……もしかして失った記憶と関係あるのでは?




そんな風に思ったんだ。




リンは、何かに怯えているように見える。
一体何に?



リンはなぜ記憶を失った?
しかも、7歳っていったら俺とちょうど出会った時だよな…



リンの父親が亡くなったのとリンが入院したのは関係あるとか?



リンの過去に、一体何があったんだ?





次々と湧きあがるのは疑問ばかりで、全く答えなんてでなくて…





リンの目が開いた時は、本当にホッと胸を撫で下ろした。




『リン、大丈夫だ…』



頭を撫でながら、自分自身にも言いきかせていたんだ。


~悠斗 Side END~
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