ギャップ彼女 1
授業が終わり、俺は急いで屋上に向かう。



そもそも何で、リンは屋上なんかにいるんだ?



俺たちAクラスの教室は、南校舎一階の端にある。だから北校舎屋上となると、かなり離れているのに。




とにかく今はリンが心配だ…



バタンと屋上のドアを開ければ、タンク前の壁に悠斗とリンで座りこむ姿が視界に入った。



しかも、意外と近い。



リンは、俺の方を見たが、悠斗は考えこんでいるのか反応がない。



リンが悠斗と2人でいる姿に何故かイライラしてしまう。




こんな場所でたまたま会うのだろうか?
北校舎なんか、普通行かないよな…



もしかして、よくここで内緒で会ってるとかなのか?




『心配したんだからな!!携帯かけても繋がんないし。』




これじゃぁ、嫉妬みたいじゃないか
こんな俺イヤだ…





「伊吹…ごめん。」



リンの顔を近くで見ると、リンの目が赤くなっているのに気づいた




泣いた?
何があった?
悠斗は、まだ考え込んでいるし…




「心配してくれて、ありがとう!!」




と、リンは微笑んでいる。




リンの様子は普通だが、さっきから悠斗の様子がおかしい。どうしたのだろうか?
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