ギャップ彼女 1
* * *




『じゃぁ、そろそろバイト行くね?』

「…あぁ」



私がそう言えば、奏は悲しげの表情を浮かべた



奏とは1時間位、話をしていた。
しかも、途切れることなくずっとだ。



でも、そろそろ行かないとバイトに遅れてしまう。一回学校に戻って自転車を取りに行かないといけないし。



2人で、たわいない話をしながら学校まで歩いた。学校は、もう目の前だ。そんな時…




「リン危ない!!」



奏にグイッと腕を引かれた。
気づけば奏が私の背中にぴったりとくっついている。



奏は、「あっぶね~な!!」と過ぎ去った自転車を睨んでいた。どうやら、暴走自転車にぶつかりそうだったらしい…。



『奏、ありがとう。行こ?』



奏から離れ歩き出そうとしたのだが、不意に右手が強く引かれ、気づけば奏の胸の中。



しかも、私の背中に両手を回しギュっと抱きしめてきた。




ん?



何…この状況は…
また自転車きたの?
分からない…。




しかも無言だ
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