ギャップ彼女 1
『…悠斗』


視線を流せば、こちらに向かって走ってくる悠斗の姿で…


悠斗は、そんなに離れていない場所にいたらしく、あっという間に私の目の前に現れた。



すごく不機嫌な様子の悠斗
眉間に皺が寄っている。




いや、怒ってる?
なんで?




私がぼんやりとそんな事を考えていると、不意に体を引き寄せられて、一瞬で温かいぬくもりに包み込まれた。



…え



なんと悠斗までギュッと抱きしめてきたのだ。
今度は、悠斗の胸の中にすっぽりとおさまってしまった私。




えー…っと…





なぜ?
何、このわけわからない状況は…
しかも、無言だよ。





なぜ、悠斗も奏も喋らないの!?




私の頭上で、悠斗と奏が睨みあいをしている事を、私は知らない。
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