ギャップ彼女 1
「…リン、あのさ」



電車に乗ってすぐ、真剣な表情で私をじっと見つめてきた奏。



『ん?』

「一昨日の、あいつと仲良いの?」



あいつって悠斗の事だよね?
何でまた…?



『悠斗?同じ生徒会の仲間だけど…』

「そう…なんだ」



私がそう言えば、私をまっすぐ見据えた奏の瞳は静かに揺れた。




『どうしたの?』

「いや、なんでもねぇ」



そういう奏の瞳には寂しげな影がやどっていて…





本当に、どうしたのだろうか?
私が不思議に思っていると、奏は言葉を続けた。




「あ、そうだ、明日の土曜日暇?」

『…うん。バイトはないから大丈夫だけど。なんで?』

「デートしようぜ?」

『デート!?』



ニコリと笑う奏に不安になる。
また、何で急に…。





それに、朱里という彼女いるじゃん!




…意味分からないよ
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