ギャップ彼女 1
『朱里に悪いから遠慮します。彼女は、大切にしなきゃダメだよ』
奏ったら、彼女いるのにこんな事しちゃだめじゃん!デートなら、朱里としてよ…。
「朱里とはそんなんじゃねぇ」
それなのに、奏はこんな事を言う。
そんなんじゃないって、一体どういう事?
『…何言ってるの?彼女でしょ?』
「…違う」
聞きたい事はいっぱいあったが、苦しげに歪んでいく顏に、それ以上続けることができなかった。
「10時に南口のオブジェ前な?ほら、もう扉開いたぞ?じゃあな、リン」
『あ…うん』
あっというまに私の学校の駅に着いていたので、慌てて電車を降りた。