ギャップ彼女 1
『早いね』
昨日テスト返却を全て終わったらしいが、早退した私は自分の結果が分からない。
「リン、行くわよ」
ズンズン進む愛莉。そんなに慌てなくても、結果は逃げないのに…。
人が多いうえ、背の低い私には前なんて見えないので、後ろでぼんやりと立っていた。
「リン、おはよ」
『おはよ、伊吹』
「俺も結果見てくる!」
伊吹は人混みの中に入っていったが、私にはそんな勇気はない。背の低い私にとって人混みほどイヤなものはない。
埋れてしまうから…
先生も、もっと高い場所に貼り出してくれればいいものを…そしたら、遠くからでも見えたのに。
いいや、後で…
溜息をひとつこぼし、その場を後にした。