ギャップ彼女 1
「そろそろ飯行こうぜ~腹減った。」
話が終わった直後、一之瀬先輩はダルそうに屋上の扉に向かって歩き出した。そうか、お腹が空いていたから、イライラしてたんだ…。
一之瀬先輩は、案外可愛いかもしれない。
「あぁ」
一ノ瀬先輩の背中を見つめていれば、私の右斜め前にいた神崎先輩が「リン」と呼んだので、視線を移した。
「放課後、生徒会室に来いよ」
私がコクリと頷けば、神崎先輩は満足そうに、フッと笑って、一之瀬先輩の後をついて行った
今、笑ったよね?一瞬だけど…。
なんか、会った時からずっと無愛想だった彼。
しかもたまに、イライラしてたし。
今、笑ったのは意外だった。
「そういや~まだだったねー」
ヘラヘラしながら後につづく隼人。
バタンと屋上の扉が閉まり、やっと1人の空間に安堵した。
はぁ。疲れた。
久しぶりに、学校で会話したかも…。
引き受けたけど、私なんかが上手くやっていけるのかな…?
それに、あの隼人。
ヘラヘラしてるけど、あの作った笑顔…はっきりいって苦手だ。ヤンキーちっくな一之瀬先輩より、ある意味恐い。
はぁ。
壁にもたれかかったまま、空を見上げた