ギャップ彼女 1
すると、



「お母さ~ん!お姉ちゃん起きたよ~」



玄関先に向かって大きな声を出すリク。




……ん?





「おねえちゃん?迎え来てるよ?」

『蜘蛛は?』

「いないよ」



リクから離れ問いかければ、ニコニコしながらリクは平然と答えた。





「お姉ちゃん、この前来てたお兄ちゃん、もう玄関にいるよ?」

『……。』






……え……



慌てて荷物を手に持ち、玄関まで行く。




そこには苦笑いする母と、肩を震わせ必死に笑いを堪えている悠斗の姿で…





『ごめん。寝てた…。』



あまりの気まずさに苦笑いを浮かべる事しかできなかった。




「……いや…い…い。」



悠斗は結局耐えきれず、笑っていて…



そんなに笑わなくても。




「いってらっしゃい」と手を振る母に見送られ家をでた。
< 335 / 426 >

この作品をシェア

pagetop