ギャップ彼女 1
~伊吹 SIDE~



玄関まで迎えに行ったのは悠斗。
しかし悠斗は玄関に立ったままで、リンはなかなか出てこない。






開けた扉から、困った表情のリンのお母さんが見えた。



リンのお母さんは俺に気づくとお辞儀をしてきたので、開いた窓から俺は軽く会釈をした。




「リンちゃんのお母さん、美人さんだね」

『そうだね』




隼人の言葉に俺は同意する。
リンはお母さん似のようだ。



俺がリンのお母さんに見惚れていると、




「蜘蛛イヤ~~っ!!!!ムリムリ!!リク取って~~~~~!!」





リンの大きい悲鳴が聞こえた。
玄関が開いているものだから、外まで丸聞こえで…



隼人、翔、蓮は、おかしそうにクックッと喉の奥から押し出されるような声で笑っていた。





リン、虫苦手なんだな…。
まぁ、俺も蜘蛛は嫌いだけど。




少ししてから、リンが苦笑いしたまま玄関を出てきたのだが、




こちらを見た瞬間、目を見開くリン。
何だ?また虫でもいたのか?


~伊吹 SIDE END~
< 336 / 426 >

この作品をシェア

pagetop