ギャップ彼女 1
車の中をキョロキョロしていると、翔とパチリと目があった。
「この車は、悠斗の家の車だよ。これから泊まる所も悠斗の実家が経営する旅館だ」
私が不思議そうに見ているのが伝わったのだろう。翔は柔らかく微笑んだ後、教えてくれた。
悠斗って、もしかして……おぼっちゃま?
…知らなかった
私って…悠斗の事もそうだけど、みんなの事全然知らないんだな。
今日の事も、私だけ知らなかったし。
なんか寂しいな…。
「チビ何、アホ面してんだよ?これ以上ブスになったらどうすんだ」
『どうせアホでブスですよ~だっ』
ニシシと笑う蓮にプクッと頬を膨らませた私。
でもね、私知ってるんだ。
蓮が優しいって事を。
わざとからかっているんだよね?
しんみりしちゃった私を元気づけようとして…
「蓮何言ってんだ!!リンは可愛いんだ!!」
「チッ。(どさくさに紛れてくっついてんじゃねぇ)」
伊吹が、私の腕に絡みつき蓮を睨みつければ、蓮が舌打ちした。
「リンちゃん。そこじゃなくて、俺の横おいで?」
「駄目だ」
フェロモン垂れ流しの眼差しで言う隼人に、すかさず言うのは悠斗。隣の悠斗からは、ブラックオーラを感じる。
悠斗の方は…恐ろしくて見れない。
その様子を見て一人微笑むのは翔。
ワイワイ騒ぎながら、2時間後無事に着いた。