ギャップ彼女 1
蓮に手をひかれたまま、かき氷の売っている海の家まできた。



「そこに座ってろ。いいか?絶対動くな」



と、あいている席を指さし去っていた蓮。


私は促されるまま、その席に座る。とくにする事もないので、頬杖をつきぼんやりしていると



「ねぇ、隣座っていい~?」



と声をかけられた。



横を向くと、いつの間にかチャラチャラした雰囲気のチャラ男くんが座っていて…



…もう座ってるじゃん。



隣に座るなり「君可愛いね~」と何回もお世辞を言ったり、「俺と遊ぼうぜ~」などとペラペラ話かけてきた。



この人話好きなのだろうか?それとも、「あのブスと会話してくる事」という罰ゲームの最中なのか?




私が黙っていると「ね~聞いてる~?」ヘラヘラしながら覗き込んできた。



すみません。あまり聞いてないです。
それに、罰ゲームに付き合うギリは無いんで…




それよりも、チャラ男くん…
顔近いんですけど!?




「チッ」



私が顔をしかめていると、背中越しに舌うちが聞こえた。
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