ギャップ彼女 1
「ゆうと?」
ずっと目で追っていたのを隼人に気付かれたらしい。俺は、彼女から隼人に視線を移した。
「あの子気になるんだ?」
『…そんなんじゃねぇ。』
気になるのは確かだ。でも、ほっといてくれ。
「で?」
『…あ?…あぁ……』
しかし俺がいくら否定したとしても、納得はしないだろう。隼人は、ちょっとした人の表情でも読み取るのがうまいんだ。
俺は、屋上の変な女について簡単に話した。
「そういうこと。昴んとこ行って聞いてくんよ。」
そう言って、隼人は席を離れて昴さんの方に歩いて行った。
その間にパンケーキが運ばれてきた。しかも彼女によって…。
「…あの…何か?」
『いや。…何でもない。』
オロオロしている彼女が話しかけてきたおかげで、ハッとした。
どうやら、じーっと見入ってしまったらしい。
名札には凛音とかかれている。
やっぱりあの子じゃない。
違かった事実に、溜息がこぼれた。
彼女が去った後、パンケーキを口に運んだ。
『……。』
…うまい。人気店だけあるな。