ギャップ彼女 1
『それじゃぁ、翔さん。もう一回勝負しよ?』
「いいよ。俺に勝てるかな?」
『今度こそ~!!』
翔と再び線香花火の勝負をしようと火をつけたのだが…
「リーンちゃん」
『うわっ』
今度こそ勝つつもりだったのに、後ろから急に抱きついてきた隼人に驚いて、線香花火が落ちてしまったんだ。
「俺もリンちゃんと2人っきりで花火したいな」
『……っ!!』
耳元での隼人の甘い囁き声に、思わず固まってしまった。そのボイスは、反則だよ…
「リンから離れろ~!!」
そんな時、伊吹が走って近づいてきた。
「隼人、今すぐリンから離れろ」
「えーやだね」
『……っ!!』
伊吹が持ってきたのは、なんとねずみ花火で…
伊吹くん…それ…どうするつもり?
「離れないと、火つけるぞ~」と火をチラつかせていたのだが、「やべっ、火ついちゃった」とその場にポロリと落としてしまう伊吹。
ゲッ
『ねずみ~っ!いや~~~っ!!』
危険を感じ、一目散に逃げた。
こんな騒がしく花火をしたのは初めての事だったが、本当に楽しくて…
また、みんなでできたらいいな…
そう思った。