ギャップ彼女 1
静まり返った校内は不気味だ。
誰もいない廊下…ヒタヒタと私の歩く音だけが響いている。
…おばけでないよね…?
昼間だけどちょっとビビっている私。
少々小走りで生徒会室に向かう。
私は何を隠そう、ホラー系が大の苦手だ。
廊下の角を曲がると、生徒会室の扉の横の壁に悠斗がもたれかかったまま立っているのが見えた。
悠斗の姿が見えて安堵した。
なんせ、心細かったから…
『あ、悠斗』
手を振り、悠斗に駆け寄った。
「来たな」
悠斗の柔らかい笑顔に自然と頬が緩んだ。
悠斗は、トントンと扉を2回ノックした後、私の後ろにまわり「リン、入れ」と言った。
なんでわざわざ?と不思議に思いながらも、ガチャリと扉を開けた