ギャップ彼女 1
私は隼人の目を見据え、言葉を続けた。



『好きなんて少しも思ってもいないくせに、軽々しく言わないで。いつもこうやって女の子を口説いているの?』



私をまっすぐ見据えた隼人の瞳が、静かに揺れた。否定しない隼人に、溜息がこぼれそうになる。




…やっぱり



所詮、私なんかを好きになるはずないんだ。



中学の時、何度か告白された事がある私。でも決まって1人じゃ辛いだろ?俺がそばにいてあげるよ。と言われる始末。





どうやら、ひとりぼっちでいる私が可哀想に見えるらしい。




そんなのいい迷惑だ。
同情なんていらない。



同情するなら金をくれ!
同情するならーー…









ってちがーう!?
こんな昔流行ったフレーズは、どうだっていいんだ!




何、私も昔思い出してるのよ…。
今、関係ないじゃん。




とにかく、偽りの言葉で女の子をいつも口説いてるって事は、つまり女の敵なのだ。
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