片思い
今日の朝は早起きした。
ネイルは
上手く出来たから
誰にも見られない様に
あなたに会いに行くね

「行ってきます」

念入りに身嗜みを整え、前髪を手で抑える。


いつもの曲がり角で待ち伏せる。
遠くに見える愛しい人。
あったらまず何て言おうか。

「真哉ー!おーはーよーう」

数㍍先の人物に大きく手をふる。

「柚紀那」

このテンションに驚いた真哉が目を丸くして私に近づく。

すかさず真哉に私は抱き着く。

「真哉、誤解なの。本当に。大好きなのは真哉だけ。命賭けて誓うよ!」

「柚紀那、ごめん俺あの後家帰って十時から事情聞いて」

「真哉はもう私の事嫌い?」

チュっ

突然私の唇が塞がれる。
甘い感触。

「大好きだけど?」
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