王子様に恋愛中(仮)
第一章 * 私が恋した王子様

蛍の恋心.




ー朝の光に照らされながら、この私、水瀬 蛍は愛おしい人の後ろ姿を見つけた。



「かーえーでー先輩っ!」

ドシン、という鈍い音とともに私は大好きな楓先輩に抱きついた。

「ぎゃぁぁぁぁあっ」

私の不意打ちの重みに耐えきれず、楓先輩は廊下に尻もちをついてしまった。

「わ、ごめんなさい…」

慌てて先輩からどいたけど、ものすごい形相で私を睨みつける楓先輩。

「水瀬…お前は毎日毎日毎日なんなんだ!?嫌がらせなのか!?」

「…なわけないじゃないですか。愛情表現ですよ」

「あー、もういい。お前に聞いた俺がバカだった」

呆れた顔で、楓先輩はスタスタと行ってしまった。

つれないんだから。
< 1 / 63 >

この作品をシェア

pagetop