王子様に恋愛中(仮)
半年前、まだ私が入学したての頃…
148cmしかない私とは対象的に、185cmもあるスラッとした身体をフワッと浮かせて、スパイクを打つバレー部のエースに一目惚れ。
それが、一学年上の尾崎 楓先輩だと知るのにそう時間はかからなかった。
それからは毎日アタック!アタック!アタック…なんだけど、お察しの通り全く相手にされてません。
「ほーたーる!また尾崎先輩に振られたの?」
と半笑いで近づいてきたのは、中学時代からの親友、冴島 遥 (さえじま はるか)。
「またって言わないでよ〜。これでもへこんでるんだから」
プクッと頬を膨らませてみる。
へこんでるのは本当だもん。
「はいはい、ごめんね。まあ、尾崎先輩モテるからね〜。蛍小さいし見えてないんじゃない?」
遥さん…
それはいくらなんでもひどくないっすか?
でも事実、私は小さいからしかたない。
「遥はいいなあ。身長高くてスラーってしてて」
「そんなことないよ。女で165あるって結構悩みだよ」
165cm…!?
私だって、それくらい欲しかったのに…!
神様って不公平。