王子様に恋愛中(仮)


先輩は小さなレジャーシートをカバンから出して広げると、私を座らせてくれた後に自分も横に座った。

「あの…先輩。私、聞きたことがあるんです」

先輩は何も言わずに海を見つめるだけだった。

やがて、先輩が口を開いた。

「……俺も。言わなきゃいけないことがある」


不安な気持ちが胸を揺らす。

しっかり、蛍。

決めたじゃない、どんな話でも受け止めるって…

そう決めたじゃない。


「は…はい…」

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