王子様に恋愛中(仮)
「蛍……俺な、二年前に付き合ってた彼女を亡くしてるんだ。
それも、俺のせいで…自殺したんだ」
楓先輩の口から出てきた言葉は、私が思ってたよりもずっとずっと重かった。
「……先輩のせいって…」
どういうこと?って聞きたかったけど、上手く言葉にならなかった。
しかし、そんなことを気にすることもなく楓先輩は続けた。
「彼女は…いろはは、俺の幼なじみだったんだ。
蛍みたいに小さくて、純粋で一途に俺を想ってくれていた。そんないろはに俺も惹かれて、いつしか付き合うようになってた」
先輩は少し悲しそうに、でもしっかりと私の目を見つめていた。