王子様に恋愛中(仮)
「いろはは、俺と付き合ってから、俺のことを好きなクラスの女子にイジメられていたんだ。
だけど、バレーが忙しかった俺は、そのことに気づけないでいた。
いろはも俺に助けを求めることはなかったんだ…
そして、俺といろはが付き合って1ヶ月が経った頃だった。
下校中に、突然俺と繋いでた手を振りほどいて、道路に飛び出したんだ…」
「………そんな…!」
思わず口に出してしまっていた。
「トラックに轢かれていろはは即死。俺は何も考えられなかった。
いろはが死んだ現実を、俺は受け入れることが出来なかった…」
辛そうに話す先輩に、私は何も声をかけてあげることができなかった。
「俺はいろはを失ってから、恋心を失くした…つもりだった。
でも、俺に向かっていつもニコニコ笑ってた蛍のことを…
いつの間にか好きになっていた」