王子様に恋愛中(仮)


「いろはは、俺と付き合ってから、俺のことを好きなクラスの女子にイジメられていたんだ。
だけど、バレーが忙しかった俺は、そのことに気づけないでいた。
いろはも俺に助けを求めることはなかったんだ…

そして、俺といろはが付き合って1ヶ月が経った頃だった。



下校中に、突然俺と繋いでた手を振りほどいて、道路に飛び出したんだ…」

「………そんな…!」

思わず口に出してしまっていた。

「トラックに轢かれていろはは即死。俺は何も考えられなかった。

いろはが死んだ現実を、俺は受け入れることが出来なかった…」

辛そうに話す先輩に、私は何も声をかけてあげることができなかった。

「俺はいろはを失ってから、恋心を失くした…つもりだった。

でも、俺に向かっていつもニコニコ笑ってた蛍のことを…


いつの間にか好きになっていた」


< 38 / 63 >

この作品をシェア

pagetop